戦後の日本の保守勢力にとって、農村は最も大事な票田であった。
池田勇人首相が所得倍増計画のなかで「農家が三割に減ることで農工間の所得格差を埋められる」と考えたとき、それが経済の論理として当然の道筋でありながら、保守政党の基盤が崩壊するかもしれないものと受け取られたのである。
農地改革によって農地という資産を得た農家は、保守党派の支持者となった。
その数が減ることは保守政党の死活にかかわる。
だから、残留農薬検査対応農業政策の対象となるものは、できる限り多くの数になるような残留農薬検査対応農業政策が必要であり、零細な農家をも温存する施策が大事にされた......と考えることは、決してうがちすぎた解釈とはいえないだろう。
残留農薬検査
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