2015年7月アーカイブ

自然の生態系は、どの程度まで変えていいのだろうか。

ほど良いバランスを保つのは、意外とむずかしいことだ。

地球上の人口がどんどん増え、山林や原野が切り拓かれていく中で、これからはさらに多くの問題が発生するに違いない。

原始時代への後戻りができない以上、その解決策は、科学の進歩に委ねられねばなるまい。

過剰に、という指摘はつまり、必要以上に、という意味だろう。

農家の人が、必要のないものを、わざわざ金を払って買って、苦労して田んぼや畑にまいているとしたら、これはおかしな話だ。

そんなバカげたことはありえない。

農家の人たちは、おそらく、「必要最小限しかまいていない」と主張するだろう。

自然の生態系 その1

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ホタルの話を中心にしてきたが、細かな事情は異なっていてもトンボもだいたい似たような経過で、都市部から姿を消し、一時期多用されたPCP(ヤゴの餌になる魚が死ぬ)や、残留性の強い殺虫剤BHC(昭和四六年に規制された)などの影響で、郊外でも数が減ったようだ。

この十数年で、地方都市だけでなく、小さな町や村でも下水道の整備が進み、衛生環境が著しく改善された。

そのため、トンボの餌になるハエやカが激減したことも、大きな原因といえるだろう。

夏の風物詩であったホタルの光や、秋の到来を告げてくれた赤トンボの乱舞、これらが失われつつあることは、本当に寂しいことだが、ハエやカがうるさく飛びまわる不衛生な環境は誰だって歓迎しないだろう。

残留農薬検査
農薬問題が議論される時に、よく出されるのが、安全かキケンかという話だ。

この問題に詳しい、残留農薬研究所理事長の福田さんに話を聞いてみた。

ー農薬は安全ですか。

「安全です。ある物が"安全だ"という時には、使おうとするものの性質をよく知り、その上で上手に使う、ということが基本であるはずです。それができれば安全だし、できない時には危険ということです。言い換えれば、安全性という言葉と危険性という言葉は、まったく同じことを右から見るか、左から見るかの違いだけなんです」

「危険性というのは、農薬なら『農薬の持っている固有の性質(毒性)x農薬を浴びる濃度(暴露濃度)×浴びる時間(暴露時間)』で決まります。

毒性の強さはそのものの固有の性質です。

それを理解したうえで、暴露濃度×暴露時間が設定されるわけで、これが使い方です。

そして使いやすいものと使いにくいものがあり、あんまり使いにくければ、実用的ではないということになるでしょう。」