2015年4月アーカイブ

それほど国際競争は甘くないのである。

10年前まで高い国際競争力を誇った企業ですら、国内の工場を閉鎖して、労賃の低い中国などに移転している例は連日のようにマスコミで報道されている。

規模拡大では対抗できないと悟ったのである。

実は、こうした動きは日本の農家では四〇年も前から常識だった。

そこで選んだ道が兼業農家という営農だった。

特に稲作は機械化が進み、田植え期と稲刈期に集中的に農作業を行えば、あとは見回る程度でコメは作れる事情もあって、現在にいたるも、兼業農家がコメ生産の大層を占めている。

皮肉にも規模拡大策に従った稲作農家がコメの値下がりで営農不振に陥り、政策的な助成強化が必要な事態に直面している。

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勤務時間を短縮して労賃を削減する換わり、従業員が生活費を維持するためのアルバイトを容認する考えだ。

従来、企業は従業員に対して全身全霊で働くことを求めてきた。

それは終身雇用制度と共に従業員と企業の運命共同体を形成する日本式の雇用形態でもあった。

しかし時代は変わり、外食産業や小売店などではパート雇用の主婦を取締役に抜擢する事例も登場するようになった。

主婦の立場からの経営に対する提案は、消費者からの提案でもあり企業経営にとって有益だと判断しての動きである。

企業経営はグローバル化、国際化の激しい競争の中で、従来の規模拡大、生産性の向上という経営手法では競争に勝ち残れないことを学びつつある。

つまり、コメを主食とする日本型食生活が日本人の健康促進に寄与すること。

それが食料の自給率の向上につながり、生産者だけでなく、消費者にも大きく貢献し得ること。

そして、水田が持つ国土の水資源管理、つまり巨大なダム機能としての水田が大きな役割を果たせること。

それだけでなく、稲作が日本の農耕文化の中心であり、数々の宗教、神社仏閣の文化的背景にもなっていることまで指摘する。

このようにコメの消費拡大策は、国民、国土、自然環境、文化にとって良いことだらけなのだと訴えている。

それにもかかわらず、国民はコメの消費拡大に動かない。

この現実を前に生産者は、コメの消費拡大の実現性を疑い、食料の自給率の向上までも疑っている。

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