2014年7月アーカイブ

事実、日本の政府は転作をやっています。

ところが、じつはこの問題は素人が考えるほど単純ではないのです。

なぜかといいますと、畑作とか畜産は、低温乾燥の風土でできた農業だからです。

ヨーロッパは日本よりも緯度がずっと北の方にあります。

南欧のローマでも、東北の北の方とほぼ同じです。

ヨーロッパはもともと寒いのです。

暖流が流れているから少し緩和していますけれども、寒い。

その上、雨がまるっきり違う。

地中海では年間だいたい四〇〇ミリぐらいしか降らない。

北の方のスカンジナビア半島だって一〇〇〇ミリぐらいしか降りません。

日本では二〇〇〇ミリ近く降ります。

ヨーロッパの二倍から五倍ぐらい降ってますから水が豊富で、何でも水を使って処理しているわけです。

そこで、米を中心に農業経営の健全化をやると、過剰生産になる。

消費が減っていますから、消費の拡大をやっても実効が上がらない。

そうするとまた過剰になって、減反して悪循環になっていきます。

ここのところを解決しないとやっぱり困るのです。

どうしたらいいのでしょう。

水田は米をつくるところだとわれわれは考えていますけれども、そうではなくて、農産物をつくるところだ、というふうにひとつ発想を転換してみてはどうか。

つまり、水田でお米だけつくると思うから苦しくなるので、そこにもっと別な、畑作物、野菜とか、豆とか、麦とか、えさとか、あるいは家畜を放牧するとか、そういうことを考えてみたらどうでしょう。

農業経営が健全であれば、自由化が起きようと、食糧危機が来ようと、びくともしないわけでしょう。

ですから、私のいっていることは非常に当たり前のことです。

当たり前の話をしたら変だなと思うところがむしろ現代の日本のおかしなところです。

では次に、なぜ変だと思うかということです。

そこが問題で、それは裏返すと、農業の経営の健全化というのは言葉であって、どういう農業が健全なのか、じつはよくわかってないわけです。

そこで、この問題を次に考えます。

まず日本の農業経営を健全化するには、じつは米をつくることが一番いいのです。

高温多湿の風土ですから、こういう風土の中では米作が一番向いています。

健全な農業経営であれば、土地の有効利用をやらざるを得ない。

土地の有効利用をやれば、いやおうなしに農地は確保されるわけです。

いざというときには伝統食をつくって、それで生き延びていくことになる。

そうすると、「農業経営を健全化する」ことがじつは長期の食糧安全保障対策になります。

ここまでくると変な感じがするんですね。

なぜ変かといいますと、よくいわれる論法は、自由化対策は国内の農業に国際競争力をつけると、こういうんです。

ところが、国際競争力をつけるにはどうしたらいいか。

農業経営を健全化することです。

同じことになってしまう。

食糧の安全保障対策、生産手段を備蓄せよ。

短期の食糧危機は食糧備蓄だ。

長期の食糧危機は生産手段を備蓄する。

こういうふうにきれいに概念整理する。

生産手段を備蓄するにはどうしたらいいかというと、農業経営を健全化する。

自由化対策と同じことなのです。

(イ)特定国からの輸入が総輸入とくらべて不釣合いに増大していること、(ロ)国別調整がやむをえない理由、調整発動の条件が全供給国に衡平であること。

(2)灰色措置撤廃と関連して、米国の主張により、SG措置の最初の3年間は対抗措置の発動権を停止することが合意された。

(3)SG措置の発動期間は、当初は4年が限度で、延長しても最長8年とされた。

既存の措置は、発動開始から8年またはUR合意発効から5年のいずれか遅い時までに撤廃されなければならない。

(4)輸出自主規制等の灰色措置が禁止され、既存のものは合意発効後4年半(通告期間を含む)以内に撤廃しなければならない。

ただし、1つの特定措置(例:ECは自動車)は、セーフガード委員会受諾を条件に、やや長期間(未定)維持できることとなった。

SG措置の運用を改善するため、これまで長年にわたって交渉が続けられてきた。

主な争点は、第19条の規定をいかに使いやすくするか(条件の緩和、特定国を相手とする選択的適用の可否など)、ガット枠外の措置をいかにして規定に取り込むか、いかに規定の濫用を回避するかなどの点であった。

ウルグアイ・ラウンド交渉の結果、セーフガード合意案が作成された。

しかし、欧米諸国のアジア諸国に対する保護主義的傾向からみて、交渉で意図したように将来自主規制の代わりにSG措置がとられるかどうか疑念が残る。

後述するように、むしろダンピング防止税の課税が増える可能性がある。

セーフガード合意案の主要点は次のとおりである。

(1)SG措置を無差別ではなく選択的に、輸入急増を起こした国にのみ適用することを認めるか否かが争点となった。

無差別適用の原則は維持された。

しかし、数量制限の国別割当を行なう場合に、セーフガード委員会のもとで利害関係国と協議の上で調整(quotamodulation)を行なうことが、次のことを明確に示すことを条件に認められた。

とくにドイッにおいてはこれに輪をかけて、法人(レコード会社)が著作権の権利者になれないユニークな法制となっているため、仮に分配先に米国が含まれるようになってもレコード会社は依然分配を受けられない。

米国の主張は過大な要求ととらえられている。

ガットは国内産品と外国産品との差別を問題にしているが、知的所有権では、権利者について内外人の差別を問題にしている。

たとえば、A国では自国民に20年の保護期間を与えているにもかかわらず、B国人には15年であったとすると、A国民が製造する物とB国人がA国へ輸出する物とは、国境において差別されていないとはいえても、最後の5年間はB国人の物が模倣品の横行にさらされる。

この点でA国人とB国人との間の差別になっており、B国人にとっては貿易障壁となるのである。

TRIP協定はワインと酒精の名のみ保護強化。

独・仏などのEC諸国にはテープ・録音機器などへ著作権料を上乗せして徴収する賦課金制度があり、賦課金は集中管理機構を通じて権利者に分配される仕組みとなっている(最近日米両国でも、対象はデジタル録音テープなど限定的ながら同様の制度が創設された)。

EC諸国の賦課金は米国民には分配されない。

米国はヨーロッパでもシェアの高い米国レコード製作者に利益が分配されないことを不満と、米国レコード製作会社にも賦課金が分配されるような規定を追加すべきだと主張している。

分配がされていないのは、そもそも米国が歌手などの実演家やレコード製作者の権利を保護するローマ条約に加入しておらず、他国に内国民待遇を要求できないからである。


(5)新しい金融サービスー参加国は自国内に定着した他の参加国のサービス提供者が、自国内で新しい金融サービスを提供することを許可すべきである。

(6)情報移転と情報処理参加国は、金融サービス提供者の通常業務に必要な場合、情報移転または金融情報の処理を妨げる措置ならびに機器の移転を妨げる措置をとってはならない。

ただし、個人の秘密を守る措置は除外される。

(7)個人の一時入国各参加国は、自国内に企業進出したか、しようとしている他の参加国の金融サービス提供者の上級マネージャーおよび業務上の専門家の一時入国を許可すべきである。

有資格者が自国内にいない場合は、企業進出に関連するコソピュータ・サービス、テレコム・サービスおよび経理の専門家ならびに保険数理および法律の専門家の一時入国を許可すべきである。

(8)無差別措置一特定された無差別措置が他の参加国の金融サービス提供者に著しい悪影響を与えるとき、それを除去または制限する努力が求められる。