2014年2月アーカイブ

認証団体は米国のOCIAである。

青山専務は開発の狙いをこう話す。

「従来は商社を通して大豆を購入していたが、実際に品質管理をするには、原料から自ら探し求めなければと考えた。

そこで米国に飛び、原料の選別を重ねた。

原料を輸入する際は通関時の燃蒸がネックとなるが、パック詰めして輸入するため、燃蒸を受けることもない」。

これまで一年ほどの間は二〇~三〇種類の大豆をひたすらチェックし、検査場で実験を重ねてきてが、ようやく発売にこぎつけたという。

こうした大手以外に、自然食品などを生産するメーカーの中にも、オーガニックの新商品を開発する動きがある。

例えば、豆腐メーカーの泉食品(東京都中野区、青山成辰社長)では、九六年三月から関東圏でOCIA認証の米国産と中国産のオーガニック大豆と、にがりを原料とした「オーガニック豆腐」(四〇〇グラム、二〇〇円)を発売している。

オーガニック大豆を原料とした豆腐は既に製品化されているが、「オーガニックの認証を受けた国内工場で製造するのは初のケース」(青山隆専務)だという。

レトルトスープはプライベートブランドの「キリン食工房」のシリーズとして、早ければ九六年六月にもスーパー店頭に登場してくる。

日清食品グループの日清シスコ(堺市、原拓善社長)も、九五年11月に「穀物主義無農薬・有機栽培コーンフレーク」(一七〇グラム入り、三〇〇円)を売り出した。

国産シリアルとしては、初のオーガニックコーンフレークである。

三年以上農薬と化学肥料を使っていないカリフォルニア州の農場で栽培した認証オーガニックコーンを一〇〇%使っており、売り上げ目標を四億円としている。

三〇〇ミリリットル入りで一本四八〇円と価格は高めであるが、「昨年末頃からジリジリ火がつき、今年に入ってからは量販店からの引合いが急激に伸びている」という。

現在の販売数量は月平均一五〇万~二〇〇万ケース(二〇本入り)にもなるという。

それだけではない。

オーガニック製品の第二弾として、ホールトマト缶、ドライフルーツ、オリーブオイルなどの輸入食品を扱い始めるほか、ソース同様、輸入オーガニックを原料に国内加工するレトルトスープの販売もスタートさせるという。

大手食品メーカーによるオーガニック食品(残留農薬検査済み)の輸入もここにきて活発になっている。

「有機丸大豆の醤油」でヒットを飛ばしたヤマサ醤油に続けとばかりに、相次ぎオーガニック食品)の開発や輸入に乗りだしているのである。

キリンの子会社であるキリン食工房(東京都文京区、長島義明社長)では、九五年七月から、米国CCOFの認証を受けたオーガニック果実と国内有機栽培野菜を原料に、3種類のソース「オーガニック・クラブ」(とんかつ、中濃、うすくち)を売り出した。

残留農薬検査
何故なら「オーガニック」と表示しても、それを罰する規則が日本には存在しないからである。

このように、厳しいふるいにかけられ、初めて認証オーガニック食品(残留農薬検査済み)となった商品が、日本国内ではにせのオーガニック食品と同列で扱われてしまう可能性が高いのである。

また、現時点でオーガニック食品(残留農薬検査済み)は日本国内で「有機食品」と訳され、流通しているケースも多いが、こうした実態も米国側の反感を買う要因になると見られる。

残留農薬検査
厳しい検査や審査を経て、初めてオーガニック食品として流通しているのである。

「オーガニック食品生産法」実施後にコンベンショナル食品をオーガニック食品(残留農薬検査済み)としてラベル表示して販売すれば、一万ドル以下の罰金と5年間の認証停止が科せられる。

これに対し、日本の場合はどうか。

米国からオーガニック食品(残留農薬検査済み)の輸入が増え、日本国内でオーガニック食品(残留農薬検査済み)ブームが起こった場合を想定すると、そのブームに便乗し、米国ではコンベンショナルに相当するような食品を「オーガニック」と表示して販売するところが出てくるのは間違いない。

残留農薬検査
既に米国産のオーガニック食品の日本への輸出は始まっているが、同法実施はこの動きを一層後押しするのである。

その際に日本と米国をはじめとするオーガニック食品(残留農薬検査済み)生産国との間で、摩擦が生じるのは必至ではないかと思われる。

その一つの要因はオーガニックという名称そのものの扱い方に関する問題である。

これまで見てきたように、米国でオーガニック食品といった場合には、第三者がその基準を満たしたことを認めた食品を指すのである。

残留農薬検査
日本の食品業界はどのような影響を受けるのであろうか。

日本は食品の多くを輸入に依存している。

国民の所得水準はずば抜けて高く、オーガニック食品の末端価格が多少高めになるといっても、その潜在需要の大きさは、世界一といっても間違いない。

こうした認識の下に、米国をはじめオーガニック食品(残留農薬検査済み)生産国では、日本を輸出先の第一目標に置いているのである。

特に米国企業は自国のオーガニック食品(残留農薬検査済み)は政府が認めた"お墨付き"であることを武器に対日輸出を強化する。

残留農薬検査