日本のコメ市場を狙うほどの力がある国は、ごくわずかだ。
いくつかの国の事情を紹介しよう。
【タイ】
世界一のコメ輸出国である。
一〇〇〇万ヘクタールもの水田があり、耕地面積のわりに人口が五〇〇〇万人と少ない。
賃金水準も低いとあって、コメの生産コストは日本の一〇分の一に近い。
それだけに国際競争力は十分で、85年までは「ライス・プレミアム」という輸出税を課していた。
国民に国際相場より安いコメを食べさせるためである。
それでも輸出量のランキングでは世界一の座を長年保持している。
灌概施設が整っていない地域が大半で、粗放的な農法が一般的なので、平均単収は日本の半分くらい。
まだまだ輸出力を伸ばす可能性のある国である。
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