2018年3月アーカイブ

1987年の夏、北海道にアワヨトウという虫が異常発生した。

やや多目に発生した程度なら、殺虫剤をまいて防除できるのだが、他所から飛んできて一斉に繁殖しはじめたからたまらない。

上川地方のトウモロコシ畑や麦畑を根城にして増え、家屋の壁や道路も一面びっしり、という事態になった。

何しろ、ちょっとした坂道でも、ヨトウムシのアブラでスリップして登れないというありさまだ。

農協や、農業資材店には、殺虫剤の注文が殺到した。

ところが、「農薬」は、使用基準が決まっていて、農耕地にはまいてもいいが非農耕地の適用がない場合には使うことができない。

ある町では、畑にまく殺虫剤が5年分も売れたというほどの異常発生ぶりだから、非農耕地用に適用のある殺虫剤もあっという間に在庫が切れる。

「この殺虫剤を使えば、家屋や道路の虫も殺せる」とわかってはいても使えない。

そんな、笑うに笑えないことも起こるわけだ。

残留農薬検査