タイのタバコ輸入制限と内国税(残留農薬検査)

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提訴国:米国。被提訴国:タイ。パネル報告採択:1990年11月

タイは、1966年制定のタ・ミコ法のもとで紙巻きタバコを含むタバコの輸出入を政府による許可のある場合を除き禁止していた。

また、消費税についても輸入紙巻きタ・ミコについては国内産の紙巻きタ・ミコよりも高い税率が適用されていた。

タイは同国の措置の正当化の根拠の一つとして、ガット第20条(b)項をあげ、人の健康を保護するために必要なものであると主張した。

これに対して米国は、タバコの輸入制限それ自体が人の健康を保護するために必要とは言いがたいとして同条項によっては正当化できないと反論した。

この事例を審議したパネルは、喫煙が人の健康に重大なリスクを生じさせ、かつタバコの消費を減らすための措置は、その意味で第20条(b)の範疇に入る性格そのものであることは認めた。

しかし、タイがとった措置が第20条(b)のもとで「必要な措置」と認められるためには、ガット・ルールに合致した他の措置、ないしはガットとの違反性がより少ない措置がまったく存在しないことが条件となるとした。


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