市場成熟化で国内出荷量が減少するなか、後継者不足や設備の老朽化、原料大豆の高騰などが地場業者の経営を圧迫しているのだ。
「何も"敵に塩"を送らなくても」という周囲の反対を押し切り、佐々木会長はOEMを拡大してきた。
「地域の文化であるしょうゆののれんを守りたいというニーズは強い。
OEMは当社の中核事業になる」と見るからだ。
顧客はすでに四〇社を超えた。
同社がOEMに乗り出したのは九三年。
本社敷地内に延べ床面積二万九〇〇〇平方メートル、年間生産能力一〇万キロリットルという国内最大級のしょうゆ工場を完成した。
総工費は二四〇億円と通常のしょうゆ工場の数倍。
だが、最新設備を導入してコスト削減を徹底したからこそ、他社向けに低価格のしょうゆを大量生産できる体制が整ったのだ。
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