米独禁法の域外適用(あるいはその例外の運用ぶり)が,外国政府をして,政府の命令のもとで企業に輸出カルテルを結ぽせることを,事実上奨励しているといえないだろうか。
改めてこのような状態を米国側から眺めてみよう。
本来米国では厳しく裁かれるようなカルテル行為が,米政府の要請のもとで外国企業によって行なわれており,それには米司法省も,域外適用権限をもってしても手を出せないでいる,という図が浮かぶ。
米司法省にとっては,さぞや苦hしい思いのする状況であろう。
ガット事務局も,1992年3月に行なわれた米国の貿易政策審査のための報告書のなかで,米政府の独禁政策のこのような二枚舌ともいうべき側面を批判している。