「コンセンサス・マイナス・21」 その1(残留農薬検査)

| コメント(0)
紛争当事国以外の第三国の関与の問題,事務局長による斡旋の強化,非政府系パネリストのいっそうの活用,拘束力のある仲裁制度等について具体的な改善策が提案された。

米国をはじめEC,日本,カナダ,オーストラリア等主要国が提案を提出し終わった1988年初頭の時点では,パネル審議の迅速化に関わる手続き上の改善については,各国提案に共通点が多く,議論はまとまる方向に向かった。

このため,紛争処理はガット機能と並んで1988年末の「中間レビュー」で他の交渉グループに先立って交渉成果を実施に移す対象項目となった。

しかしながら,ガットの紛争処理の基本的な性格づけについては,以前から存在していた意見の対立がそのまま尾を引いていた。

つまり,調停的役割を重要視する国(EC,日本,韓国,ブラジル等)と紛争処理における法の支配の強化を主張する国(米国,オーストラリア,ニュージーランド等)との間の対立である。

コメントする