無効化または侵害は次の3つの状況において起こりうるとされている。
(a)他の締約国がガットに基づく義務の履行を怠った結果,(b)他の締約国が,ガットの規定に抵触するかどうかを問わず,なんらかの措置を適用した結果,および(c)その他のなんらかの状態が存在する結果,の3点である。
上記の文言を検討して最初に気がつくのは,無効化または侵害の要因として必ずしも一般協定に対する「違反」(violation)が想定されているわけではないという点である。
上記(a)にいう「義務の履行を怠る(failure)」というのが最も厳しい文言になっているが,これとて純粋に法的概念とはいいがたい。
また,上記(b)についても「なんらかの措置を適用」とあるが,それがガット規定に照らして合法か非合法かは問わないとしている。
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