1974年通商法第301条に基づく調査は,1991年10月までに合計87件行なわれたが,そのうち40件は1985年から91年までの6年間に行なわれた調査である(1989年と90年に行なわれたスーパー301条調査を含む)。
見過ごしてならないのは,このような301条調査の増加が,ガット提訴の増加につながったことである。
なぜなら,同通商法上,他国のガット違反の措置(いわゆる「不公正措置」)については,通商代表はまずガット上の紛争処理手続を踏むことが期待されているからである。
後述のように,301条の大きな問題は,このガットの手続きを最後まで守り切らないで,特定期間のあとは一方的制裁をとれることとなっている点にあるが,それでもガットの手続きを完全に無視しているものでない点に留意する必要がある。
たとえば,米国通商代表は,1990年中に14件の貿易紛争について301条調査を終結ないし停止したが,このうち7件はガット紛争処理手続がなんらかの形で使われたケースである。
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