子孫に対する影響(残留農薬検査)

問題なのは、子孫に対する影響である。

「慢性毒性試験で、最大無作用量を算出したではないか。毎日摂取し続けても安全なはずだ」という人もいるかもしれない。

だが、ちょっと待ってもらいたい。

人間(に限らず高等動物)の生理作用というのは、そう単純ではないのである。

こういうことが解明されたのは、最近のことなのだが、子孫に対する影響というのは、やはりそのために独自の試験を行わないとわからないことなのである。

医薬品の例であるが、有名なサリドマイドの服用による奇形の発生は、この薬を妊娠34日目から50日目までに服用した場合に限られ、この期間の中でも、たとえば35日目と40日目では奇形のあらわれ方は違うのだという。